パノラマVRとは

写真は、カメラのレンズを通して視界の一部を四角く切り取り、記録します。そのため、被写体をいかにうまくフレームに収めるかが重要になり、写真の善し悪しとして評価されます。
写真をフレームで切り取らず、360°の視界を収めてリアルタイムで表示処理を行うことで、見たい方向に自由に動かせるようにしたものがパノラマVRです。
ixVRではHTML5によって、iPad、iPhone、その他 transform3D 対応のWebブラウザ向けパノラマVRを提供しています。

 

transform3D 対応のWebブラウザでご覧になっている場合、下に実際のパノラマVRが表示されます。


元はQuickTime VRでのCD-ROMコンテンツなどで使われていましたが、最近ではFlashやHTML5によるインターネットコンテンツとしての利用が広がり、観光地の案内や名所の紹介、不動産物件の室内観覧など、広く使われています。

パノラマVRの仕組み

一口にパノラマVRと言っても、システムによって様々な構成があります。ixVRではキュービックVRを採用しています。
キュービックVRとは、立方体の内側6面に貼り付けた画像を、立方体の中心部から見ることで、全天360°の視界を再現する手法です。 そのため前後左右上下の各面6枚の画像が必要になります。

 

パノラマVR用に加工した6面の画像 立方体の内側に画像を並べ内側の中心から見る

 

6面の画像を、オリジナルのビューワ環境でパノラマVRとしてブラウザ上で表示します。

まずは魚眼レンズで1ショットの前面パノラマ

コンテンツとして目にするパノラマVRは、そのほとんどが360°の視界の全天パノラマです。全天パノラマは途切れること無く周りが全て見渡せるのでパノラマVRの醍醐味と言えますが、そのための専門機材の必要や、撮影、画像加工にかなりの精度と手間を必要とします。(後述「全天パノラマの撮影」参照)
ixVRでは、スナップとして手軽にパノラマVRを利用できるように、魚眼レンズを使った1ショット前面撮影を基本にしています。

transform3D 対応のWebブラウザでご覧になっている場合、下に実際のパノラマVRが表示されます。

魚眼レンズでの撮影はフレームに制限されること無く、前方の視界が撮影されますので、気軽に撮影できます。

全周魚眼レンズ、対角魚眼レンズでの撮影イメージ


パノラマVR表示イメージ

ixVRでは、魚眼レンズの内、円周が全て収まる「全周魚眼」と、円周が長辺に合わせて短辺側が切れる「対角魚眼」に対応しています。
*魚眼レンズには、超広角レンズとして楽しむための、円周の無い魚眼レンズもあります。ixVRでは円周の無い魚眼レンズは対応しておりませんので省いています。予めご了承ください。

全周魚眼

円周の撮像を全てフレームに収めています。
撮影範囲の全てを収められますが、カメラのフレームに対して撮影面積が小さくなってしまうため、利用できる画素数が少なくなり、その分、カメラの性能に対する画質は落ちてしまいます。

全周魚眼で撮影 パノラマVR表示イメージ

対角魚眼

一般的にフレームの長辺に合わせて円形の撮影画像を収めます。*円周が分かれば例示のように長辺側が切れていても変換可能です。
撮影面積が大きくなり、利用できる画素数が多くなるため、カメラの性能に対して画質はそれほど下がりません。ただし切れている部分はそのまま視界が欠損してしまいます。魚眼レンズでの撮影では、円周端は奥行きとして面積割合が広くなるので、中心部よりも大きく削がれることになります。

対角魚眼で撮影 パノラマVR表示イメージ
*赤い箇所は欠損箇所のイメージです。実際は黒く表示されます。

 

全周魚眼、対角魚眼のいずれも、使用するカメラや携帯の機種との組み合わせによって、フレームへの収まり方に違いがあります。また、iPhone用の場合は、その取り付け方によっても様々です。
一般的には値段=レンズ性能=画質、という傾向ですが、装着の仕方やサイズ等によっても変わります。

露出設定の注意

魚眼レンズで撮影する場合、広い空間を撮影しますので、全体的に適正な露出設定は難しくなります。また全周魚眼レンズの場合、円周外の黒い部分が多くなってしまうので、自動露出でマルチ測光の場合、適正な露出にならない場合もありますのでご注意ください。

日差しの強い日中や、強い光源がある場合などは、HDRなどを利用するか、メーンの対象に合わせて撮影しましょう。